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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻6号

1973年06月発行

文献概要

今月の主題 問診 症状別問診法

不定愁訴の処理

著者: 石川中1

所属機関: 1東大心療内科

ページ範囲:P.734 - P.735

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不定愁訴とは
 不定愁訴という言葉は,従来から漠然と使われていた用語であるが,東邦大学の阿部達夫教授は,「体がだるい,疲れやすい,足が重い,頭が重い,動悸がする,息がきれる,胃がもたれる,など漠然とした愁訴で,しかもそれに見合うだけの器質的疾患の裏付けがない場合これらの愁訴を不定愁訴と呼んでいる」と定義し,この不定愁訴をもつ患者を不定愁訴症候群と呼び,その中には(1)心因が主な原因になっている神経症型,(2)心因とは無関係に自律神経失調がある本態性自律神経失調症型,(3)精神的ひずみから自律神経失調を惹起,あるいは自律神経失調が精神障害を惹起した心身症型の3つの型があると述べている.
 すなわち,不定愁訴の不定という意味は,愁訴に相当する器質的疾患がない,つまり,愁訴の原因を定めることができないという意味であるが,同時に愁訴が多彩であり,また消長が著しいので不安定な愁訴であるというニュアンスも持っている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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