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今月の主題 化学療法剤—現状とその使い方
最近の感染症の変貌と化学療法の動向
著者: 北本治12
所属機関: 1杏林大・内科 2東大
ページ範囲:P.818 - P.819
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感染症の変貌には色々の側面がある.
まず,感染症が疾病全体のなかで占あるウェイトについての変貌はどうであろう.科学の未発達の時代には,感染症による死亡と罹病が,他のいかなる疾患よりも多かった.近代医学ことに化学療法剤の開発によってこの局面は打開され,感染症による死亡は,もしも第二次性の感染を除くならば,第3位に位置するようになった.すなわち,心血管性の疾患による死亡が第1位となり,ガンによる死亡が第2位となり,感染症はその次となったのである.Sabinはこの状況を述べて,感染症はNo 3 killerであるといっている.しかし心血管性疾患やガンの場合といえども,第二次性の感染症によって死を招き,あるいは死を早めるということは日常はなはだ多いことであり,これらを含めるならば人類の死亡を招く原因としての感染症は第3位以上であろうと推定されるのである.罹病については,今なお第1位といってよい.
感染症の変貌には色々の側面がある.
まず,感染症が疾病全体のなかで占あるウェイトについての変貌はどうであろう.科学の未発達の時代には,感染症による死亡と罹病が,他のいかなる疾患よりも多かった.近代医学ことに化学療法剤の開発によってこの局面は打開され,感染症による死亡は,もしも第二次性の感染を除くならば,第3位に位置するようになった.すなわち,心血管性の疾患による死亡が第1位となり,ガンによる死亡が第2位となり,感染症はその次となったのである.Sabinはこの状況を述べて,感染症はNo 3 killerであるといっている.しかし心血管性疾患やガンの場合といえども,第二次性の感染症によって死を招き,あるいは死を早めるということは日常はなはだ多いことであり,これらを含めるならば人類の死亡を招く原因としての感染症は第3位以上であろうと推定されるのである.罹病については,今なお第1位といってよい.
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