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今月の主題 化学療法剤—現状とその使い方 新しい化学療法剤
セファロスポリン系抗生物質
著者: 山作房之輔1
所属機関: 1新潟大・第2内科
ページ範囲:P.824 - P.825
文献購入ページに移動 セファロスポリン系抗生剤は7 Aminocephalosporanic acid(7-ACA)の誘導体で,6 Aminopenicillanic acid(6-APA)を母核とするペニシリン剤と類似の構造を持ち,作用機序が細菌の細胞壁合成を阻害する点も共通である.ペニシリン剤は長い開発の歴史の間に,Penicillinaseに対する抵抗性の付与や,抗菌スペクトルの拡大が行なわれ,個々の薬剤が個性的で多彩であるのに,セファロスポリン剤では現在のところ,薬剤間に抗菌力の強弱と体内代謝の差をみるのみで,スペクトルの変化に乏しい.種々の細菌が産生するβ-lactamaseはペニシリン剤とセファロスポリン剤の両方を分解するものもあるが,通常は双方に対する作用が多少とも異なっており,例えば,Penicillin G耐性ブドウ球菌がセファロスポリン剤に感受性であるように,スペクトルの差がみられる.双方の薬剤アレルギーは一部交叉する.
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