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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻7号

1973年07月発行

文献概要

今月の主題 化学療法剤—現状とその使い方 アンケート・私の治療法

合成ペニシリン,セファロスポリン系抗生物質の大量療法の適応

著者: 原耕平1 斎藤厚1

所属機関: 1長崎大・第2内科

ページ範囲:P.859 - P.861

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はじめに
 一般に抗生剤大量使用する場合は,1)抗生剤の臓器内濃度を高める,2)有効濃度を長時間維持させる,3)使用薬剤の抗菌スペクトルを広める,4)抗菌力を変化させる(Bacteriostatic→Bacteriocidal)などを目的とするわけであるが,その弊害として常在菌叢の変化による菌交代現象や長期投与におけるビタミン欠乏,Herxheimer様反応の出現の可能性および使用抗生剤自体による種々の副作用等が考慮されなければならない.したがって,使用する抗生剤は当然chemotherapeutic Indexの小さいものを用いる必要があり,現在専ら合成セファロスポリン系抗生剤やペニシリン系薬剤がよく使用されるわけである.しかし,大量投与といっても,例えば抗生剤が通常よく移行する尿路における疾患とMacrolide系抗生剤以外は移行しにくい呼吸器系における疾患の場合のように,感染の場所,病態の相違,起炎菌の種類等によって,抗生剤の選択も投与方法も異なってくる.ここでは呼吸器感染症におけるこれら2剤の大量療法について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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