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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻7号

1973年07月発行

文献概要

今月の主題 化学療法剤—現状とその使い方 アンケート・私の治療法

合成ペニシリン,セファロスポリン系抗生剤の大量投与の適応

著者: 西村忠史1

所属機関: 1阪医大・小児科

ページ範囲:P.864 - P.866

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 従来抗生剤の大量療法についてはPc製剤,特にPc-Gの重症細菌感染症,ことに心内膜炎らに対する投与が行なわれ,その有効性が認められている.近年,抗生剤の大量療法に再び関心が高まっているが,その背景には種々の基礎疾患に合併した重症細菌感染症の増加があるといえよう.すなわちそれら疾患の起炎菌の薬剤耐性,また生体側の感染抵抗性減弱を招来する基礎因子による重症化らの問題を如何に化学療法の面で克服しようかという所に,今日の大量療法の意義も存在しているといって過言ではなかろう.
 実際に通常の感染症に対する適正使用量,用法をもってして,このような性格の感染症治療が極めて困難であることは,最近多くの実地医家の経験する所である.このような見地から大量療法の対象も,疾患の種別(髄膜炎,敗血症,肺膿瘍等)はさることながら,起炎菌からもグラム陰性桿菌の如き,高度薬剤耐性菌種が対象となろう.しかし大量療法といえども決して安易に行なうべきでなく,使用薬剤の選択が重要で,それには化学療法係数の高いこと,殺菌作用を有し,組織移行性のよいこと,副作用のない点が配慮されねばならない.ところで用法としては静注による投与が行なわれるが,径口,筋注投与は疾患の性質,患者の負担からも実際にはなかなか行ないえない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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