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文献詳細

雑誌文献

medicina10巻7号

1973年07月発行

文献概要

診療相談室

いわゆるトランスアミニーチスと急性肝炎の無黄疸例との鑑別診断について

著者: 上野幸久1

所属機関: 1三宿病院

ページ範囲:P.924 - P.924

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質問 いわゆるトランスアミニーチス(Transaminitis)と急性肝炎の無黄疽例との鑑別診断について,三宿病院の上野幸久先生にご解答願います.(横浜市 48歳)
答 急性肝炎の経過後,血清ビリルビンその他の常用肝機能検査の成績が全く正常化してからもGOT,GPTの軽度異常値(100 Karmen単位以下)だけがかなり長く持続することがあります.これがはたして肝炎の遷延化を示すものか,あるいは無害ないわゆるDefektheilungとみなしてよいのか迷うことがまれでありません.このようなGOT,GPTだけの上昇のため,ときとして無用とも思われる長期にわたる安静を強いられることもあります.ま窪,急性肝炎の既往がなくとも,このような症例をみた場合,潜在性肝炎であるのか,他疾患による2次的肝障害であるのかが問題となります.Popperは1967年にこのようなトランスアミナーゼだけが高い,肝に明らかな病変を認めないものをTransaminitisと呼んで無害なものとしています.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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