文献詳細
文献概要
今月の主題 転換期に立つ検診
正しい検査データを得るには
著者: 大場康寛1
所属機関: 1東洋工業付属病院臨床病理研究検査科
ページ範囲:P.964 - P.965
文献購入ページに移動診療に直結した臨床検査と,健康管理のために行なう検診検査とでは,検索対象や目標がちがうので実施面においてかなり異なった点がみられる.すなわち,前者は個々の患者の診断と治療のために,多くは主治医がその都度判断して,検査項目を選択し,"ア・ラ・カルト(注文一品料理)"的に実施するものであるが,後者は通常,ほとんど自覚症状をもたず,普通に日常生活を営んでいる人々を対象として,健康状態把握と管理のために行なうものである.したがってその目的に応じていくつかの検査項目を,いわば"定食料理"的に組み合わせて,一律に流れにのせて,しかも個人を対象としているが,集団的に実施されるものである.
しかし,両者は生体情報を収集し,解析し蓄積し,それらを活用していく手段としては基本的には差異はない,したがって,検診の検体検査(検体を扱う検査)あるいは生体検査(直接被検者を扱う検査)においても,まず,臨床検査におけると同様に,当然,適正な判断のもととなるべき正しい検査データが得られるように注意がはらわれなければならない.
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