icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina10巻8号

1973年08月発行

文献概要

心電図講座 小児心電図の判読・2

心室肥大

著者: 大国真彦1

所属機関: 1日大小児科

ページ範囲:P.1039 - P.1043

文献購入ページに移動
小児心電図における心室肥大の判定
 小児心電図の心室肥大の判定は難しいといわれる.これは乳幼児では,生理的に右室優勢を示すこと,および小児では一般に成人よりも高電位差を示すことによる.そのために,小児心電図における心室肥大判定には成人と異なった基準を要するので,小児循環器研究会において筆者を委員長とする委員会が結成され,1971年に表のような心室肥大判定基準が発表された.この基準の特徴は,判定基準を確徴と疑徴に分けたことであり,これは実際には,正常者と心室肥大者の心電図にかなりのoverlapがある二とによる.もちろん,この確徴をもってしてもなお多少の偽陽性例があることは避けられないが,乳児の右室肥大確徴の3)V1のVAT≧0.03秒が1%を多少こえる以外は,大部分は0.5%以下の偽陽性率を示している.なお,この判定基準を簡単化してチェックリストとしたものも用いられるようになっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?