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今月の主題 慢性関節リウマチ(RA)の新しいプロフィール RAの亜型
Sjögren症候群
著者: 東威1
所属機関: 1東大・物療内科
ページ範囲:P.1124 - P.1125
文献購入ページに移動乾性角結膜炎(keratoconjunctivitis sicca, KCS)に関節リウマチ(RA)をはじめとする関節炎の合併の多いことは古くから知られており,また涙腺と唾液腺に腫脹をきたす疾患も,すでに1888年Mikulitzにより報告されている.しかし,これを全身疾患の1つのあらわれとしてとらえたのはスウェーデンの眼科医H.Sjögrenが最初で,彼は,KCSに関する臨床的,病理的および文献的な検討をおこない,1933年に発表して今日の考え方の基礎をきずいた.
その功績により,現在Sjögren症候群という名称が一般に用いられているが,この症候群が特に注目されるようになったのは,近年の免疫学の進歩,特に自己免疫という概念の発展によるところが大きい。この症候群を伴うことが多いRA,エリテマトーデス(SLE)をはじあとするいわゆる膠原病は,自己免疫疾患的色彩が強く,疾患相互間の移行や合併が問題とされているが,Sjögren症候群は,これら自己免疫疾患に共通の症候群,あるいはその間の橋渡し的な存在として重視されている.
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