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今月の主題 慢性関節リウマチ(RA)の新しいプロフィール 診断
RAのX線診断
著者: 有富寛1 山本真1
所属機関: 1北里大・整形外科
ページ範囲:P.1130 - P.1136
文献購入ページに移動 関節構成物における炎症過程は,そのさまざまな病理学的変化にともなってX線像に変化をきたす.慢性関節リウマチも同様で局所解剖学的特徴に従ってX線像に特異な変化を認める.X線診断は慢性関節リウマチの診断基準の一項日であり、また病変進展度を知るためにも重要である.慢性関節リウマチのX線像を正確に理解するためにはその病理変化を理解しなければならない.図1に示すごとく,シェーマ的に述べればまず滑液膜の炎症に始まり,その増殖性変化は肉芽を形成する.この肉芽の増殖は軟骨表面をおおい(パンヌス)軟骨を破壊する.軟骨下の骨内にも肉芽が浸入し、次第に増殖し骨軟骨を破壊する.関節運動および荷重などの機械的な要因によつても,さらに破壊され、骨は反応性に増殖する.やがて肉芽は繊維化されるが,てのような過程が再発し、また緩解しながら進行し続け,骨性強直にまで進展する.以上のような過程の器質変化のX線表現はまず関節の腫脹,関節嚢拡大が軟部組織陰影の変化として現われる.骨軟骨の変化はで骨皮質の菲薄化,骨稜の消失などpre-erosiveな変化より始まり,関節包付着部の骨新生,浸蝕像やcyst,pseudocyst,骨粗鬆,関節裂隙の狭少化,骨棘形成,骨硬化などの変化,さらには橈尺側偏位,山脱臼,脱臼,屈曲拘縮,骨性強直などの変形として認められる,Steinbrockerは慢性関節リウマチの関節X線変化を次のように分類している.
Stage I(I期)に骨粗遜は認められうるが骨破壊を認めないもの.
Stage I(I期)に骨粗遜は認められうるが骨破壊を認めないもの.
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