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文献概要
今月の主題 新しい臓器相関のとらえ方 臓器相関からみた症候群
腎と造血臓器
著者: 前川正1 白倉卓夫2
所属機関: 1群馬大第3内科 2東京都立養育院病院
ページ範囲:P.60 - P.61
文献購入ページに移動Epoは赤血球系細胞の最も幼若な血液幹細胞(ERC:erythropoietin responsive cell)に直接作用して,幹細胞から赤血球系細胞へ分化成熟させる作用をもっている.このホルモンの約90%は腎で産生されると現在考え、られているが,その産生速度は組織における酸素の供給と需要のバランスで調節されている.供給がなんらかの原因(Hb濃度の減少,心拍出量の減少,血中酸素含有量の低下,Hbの酸素親和性の亢進する異常Hb血症など)で低下したり,供給は異常ないのに需要が増加して相対的に供給不足となる(甲状腺機能亢進症)場合には,腎が敏感に酸素欠乏を感受してEpo産生を増し,これを血中に放出する.造血臓器に運ばれたEpoは骨髄細胞に働いて,赤血球系細胞の分化増殖を促して赤血球をより多く末梢血へ送り込む.
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