文献詳細
文献概要
図解病態のしくみ
神経1.運動障害
著者: 本多虔夫1
所属機関: 1横浜市民病院・内科
ページ範囲:P.118 - P.119
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運動といえば錐体路,錐体路といえば運動と考えられるぐらい運動に関する神経機構の中で錐体路のしめる位置は大きい.しかし,複雑な運動が正確かつ迅速に行なわれるためには錐体路ばかりでなく錐体外路や小脳の働きが必要なことはいうまでもない.またこれら中枢機構の機能を実際の運動としてあらわすのは末梢臓器の役割であるからこれも無視することはできない.
錐体路 前頭葉の運動領に始まり,内包,大脳脚,橋底部を経て,延髄にて交叉し,対側の脊髄前角細胞に終わる.その一部は橋,延髄にある運動性脳神経核にも達している.このように本伝導路が顔面から足先まで全ての運動をつかさどっていることは,その経路からも明らかであり,またそれが障害されたときに運動が全く不可能になることから,本伝導路が運動本態をつかさどっていることは疑いない.本伝導路を障害されたときには麻痺とともに筋痙直,腱反射の亢進,病的反射の出現がみられることが多いが,これら症状の発現については,それが実際に錐体路自身の障害によるものであるのか,あるいは錐体路に隣接して走る他の伝導路の障害によるものか,なお明らかではない.
運動といえば錐体路,錐体路といえば運動と考えられるぐらい運動に関する神経機構の中で錐体路のしめる位置は大きい.しかし,複雑な運動が正確かつ迅速に行なわれるためには錐体路ばかりでなく錐体外路や小脳の働きが必要なことはいうまでもない.またこれら中枢機構の機能を実際の運動としてあらわすのは末梢臓器の役割であるからこれも無視することはできない.
錐体路 前頭葉の運動領に始まり,内包,大脳脚,橋底部を経て,延髄にて交叉し,対側の脊髄前角細胞に終わる.その一部は橋,延髄にある運動性脳神経核にも達している.このように本伝導路が顔面から足先まで全ての運動をつかさどっていることは,その経路からも明らかであり,またそれが障害されたときに運動が全く不可能になることから,本伝導路が運動本態をつかさどっていることは疑いない.本伝導路を障害されたときには麻痺とともに筋痙直,腱反射の亢進,病的反射の出現がみられることが多いが,これら症状の発現については,それが実際に錐体路自身の障害によるものであるのか,あるいは錐体路に隣接して走る他の伝導路の障害によるものか,なお明らかではない.
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