medicina11巻10号

1974年10月発行

今月の主題 手術適応の問題点 グラフ

冠状動脈硬化症，心筋硬塞合併症に対する外科治療

著者： 北村惣一郎¹ 川島康生¹ 曲直部寿夫¹

所属機関： ¹阪大・第1外科

ページ範囲：P.1254 - P.1259

　図1　症例1　60歳　男子　強い労作性および安静時の狭心痛を有する症例で，右冠状動脈の完全閉塞がある．大伏在静脈を用いたAortocoronary Bypass Graftは良好に開存し，グラフトを介して順行性および逆行性に右冠状動脈が造影されている．本例では心尖部の左室瘤も同時にplicationしている．術後，狭心痛は消失した．
　図2　症例2　46歳　男子　本例は以前に内胸動脈の埋め込み術（Vineberg's op.）を受けているが，狭心痛が改善しなかった．右冠状動派は完全に閉塞し，intracoronary collateralsを介して末梢が細く造影されている．グラフト移植後，右冠状動脈末稍は良く灌流されている．