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今月の主題 手術適応の問題点 他の治療法との関係からみた手術適応
潰瘍性大腸炎
著者: 吉田豊1
所属機関: 1弘前大第1内科
ページ範囲:P.1286 - P.1287
文献購入ページに移動 潰瘍性大腸炎の手術適応は内科的治療の限界を意味するが,手術時期の決定でもあるので,重症例を診ている内科医は常に念頭におかねばならない問題である.早期手術例の成績は極めて良好であるが,手術の時期を失したと思われる,一般状態の悪化した症例の成績はよくない.これは外科側よりも内科側の責任が大きいが,もともと重症例は内科と外科の境界領域の疾患であるとの認識が大切なのである.しかし,ごく一部のこれら重症例を除いた一般の症例では,適切な内科的治療の下で完全緩解が可能で,健康人とほとんど変わりない社会生活ができるので,本症は内科的治療が原則であり,いわゆる外科的疾患ではない1).
Bargenらは,手術が必要となる症例は全体の12〜15%としているが,本邦症例の全国集計で18.2%,筆者らの教室例で近年は17.0%である.病気の早期発見,内科的治療の進歩などによって,最近は手術例が少なくなる傾向にあるが,10〜20%の症例は,結局は内科的治療の限界をこえた手術適応の症例といえよう.
Bargenらは,手術が必要となる症例は全体の12〜15%としているが,本邦症例の全国集計で18.2%,筆者らの教室例で近年は17.0%である.病気の早期発見,内科的治療の進歩などによって,最近は手術例が少なくなる傾向にあるが,10〜20%の症例は,結局は内科的治療の限界をこえた手術適応の症例といえよう.
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