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今月の主題 手術適応の問題点 他の治療法との関係からみた手術適応
甲状腺機能亢進症
著者: 原田種一1 伊藤國彦2
所属機関: 1川崎医大外科 2伊藤病院
ページ範囲:P.1288 - P.1289
文献購入ページに移動これらの個々の治療法の選択については専門家の間でも意見の一致をみておらず,患者の病状よりも,むしろ患者が訪れた医師の好みが相当大きく影響しているというのが偽らざる実状であろう.もちろん,治療にあたる医師が各自の見解と経験に基づいて特徴のある治療体系を持つのは当然のことである.しかし,各治療法の利害得失,限界を充分に知るべきであり,みだりに自己の方法に固執することは慎しむべきことである.伊藤病院においても,約10年前までは手術第一主義であり,手術の可能性を中心として治療方針をたてていた.しかし,抗甲状腺剤,放射性ヨードが導入され,これらの治療法に習熟し,経験を重ねて以来,一つの治療法に偏ることなく,一定の治療基準に従って治療方針の決定を行なっている.以下,手術適応を中心として,筆者らの治療基準およびその結果について述べたい.
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