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文献詳細

雑誌文献

medicina11巻10号

1974年10月発行

文献概要

グラフ X線造影のみかた 消化管・6

大腸

著者: 白壁彦夫1 吉川保雄1 勝田康夫1

所属機関: 1順大消化器内科

ページ範囲:P.1308 - P.1316

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 胃X線診断は充満法,二重造影法,圧迫法の組み合わせで成り立っている.ところが大腸には,この組み合わせ理論がない.案の条,検査の実際では,Fischer法ではfine network patternがでない.また,隆起性病変の診断に欠かせない圧迫法がないことから不満がある.そこで二重造影法の改良に力が注がれ,Fischer法にはじまる透視診断に主力をおく検査からWelin法による写真診断Brown法による微細診断が取り入れられてきた.さらに最近では,ジャイロ式X線装置で合理的な盲点のないスクリーニング検査が行なわれるようになってきている.検査時間の短縮,体位変換による空気とバリウムの移動,それにバリウムの付着の加減を計りながら,盲点をなくそうという考え方である.現在,理論的には盲点はなくなった.意表をつく体位での撮影が可能になった.
 何といっても,大腸二重造影法が,現在のところ検査の主体である.それに用いる造影剤は,一般に,隆起性病変では比較的高濃度のバリウムがよく,陥凹性病変では比較的低濃度のバリウムがよい.高度の病変では検査法を云々という必要はないが,浅在性,微細病変では検査法の選択が診断を左右する.隆起性病変のひろい上げに関しては,注意深い検査で大きな病変を見落とすことはない.しかし,小さいポリープや粘膜下腫瘍は,しばしば見落とされる.陥凹性病変のひろい上げも,腸管径の1/3程度のものなら必ずチェックできる.潰瘍瘢痕もかなりみつかるようになった.憩室も注腸検査例の9%にみつかっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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