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文献概要
今月の主題 喘息の本質から治療まで 喘息の診断
喘息診断のすすめ方
著者: 水谷明1
所属機関: 1愛知県立看護短大内科
ページ範囲:P.1536 - P.1539
文献購入ページに移動はじめに
従来,気管支喘息(以下喘息と略)は「非限局性喘鳴を伴う可逆性発作性の呼吸困難」として把握され,その発症にはアレルギー性因子の関与する場合が多いと考えられてきた.しかし1962年,American Thoracic Society(ATS)1)が喘息を「種々の刺激によって気管および気管支の反応性が増加することを特徴とし,広範な気道の狭窄の程度が自然にあるいは治療によって変化することを明瞭に示す疾患」と定義して以来,喘息の定義についての世界的趨勢はこの方向に向かいつつあるようである.すなわち,現在,喘息は"気道の過敏性"と"可逆生の気道狭窄"を2本の柱として特徴づけられており,必ずしもアレルギー性因子の存在を必要としていない.またATSは,「喘息という言葉は広汎な気管支感染(急性および慢性気管支炎など)や肺の破壊的疾患(たとえば肺気腫),あるいは心血管系疾患によってのみ起こる気管支狭窄には使用しない.喘息患者にはこれらの疾患が合併することはあるが,その場合の気管支狭窄はこれらの疾患が原因になるものではない」と断わっている.したがって喘息の診断は,個々の患者の"気道の過敏性"と"気道狭窄の可逆性"を証明するとともに,気道狭窄を起こす他の心肺疾患を鑑別しつつ,すすめられなければならない.
従来,気管支喘息(以下喘息と略)は「非限局性喘鳴を伴う可逆性発作性の呼吸困難」として把握され,その発症にはアレルギー性因子の関与する場合が多いと考えられてきた.しかし1962年,American Thoracic Society(ATS)1)が喘息を「種々の刺激によって気管および気管支の反応性が増加することを特徴とし,広範な気道の狭窄の程度が自然にあるいは治療によって変化することを明瞭に示す疾患」と定義して以来,喘息の定義についての世界的趨勢はこの方向に向かいつつあるようである.すなわち,現在,喘息は"気道の過敏性"と"可逆生の気道狭窄"を2本の柱として特徴づけられており,必ずしもアレルギー性因子の存在を必要としていない.またATSは,「喘息という言葉は広汎な気管支感染(急性および慢性気管支炎など)や肺の破壊的疾患(たとえば肺気腫),あるいは心血管系疾患によってのみ起こる気管支狭窄には使用しない.喘息患者にはこれらの疾患が合併することはあるが,その場合の気管支狭窄はこれらの疾患が原因になるものではない」と断わっている.したがって喘息の診断は,個々の患者の"気道の過敏性"と"気道狭窄の可逆性"を証明するとともに,気道狭窄を起こす他の心肺疾患を鑑別しつつ,すすめられなければならない.
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