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文献詳細

雑誌文献

medicina11巻2号

1974年02月発行

文献概要

今月の主題 酸・塩基平衡異常—その日常臨床とのつながり 病態

酸・塩基平衡と電解質代謝

著者: 横山剛12

所属機関: 1慶大・内科 2警友総合病院・内科

ページ範囲:P.170 - P.171

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 酸・塩基平衡と電解質代謝でまず問題になるのは,体液pHと血清K濃度との関係である.Scribnerらの実験的臨床的研究からは,pHと血清K濃度との間には負の相関があり,pH0.1に対し血清Kは約0.5mEq/L変化するというが,個々の例では血清K濃度に関与する因子が複雑であり,かならずしもこの値があてはまるとは限らない.しかし,アシドーシスおよびアルカローシスでは図にみるように,細胞内外でのHとNa,Kとのイオン移動が行なわれ,また腎ではNaの再吸収に関してKとHとの間に競合があり,アシドーシスでは尿中へのH排泄増加,K排泄低下が,アルカローシスではH排泄低下,K排泄増加がみられ,この両者によりアシドーシスでは高K血が,アルカローシスでは低K血がみられる.またアシドーシスの際には,細胞内KはHと交換して細胞外に移動し,全体K量はアルカローシスと同様低下している場合が多い.したがって,高度のアシドーシスがあって,しかも血清K濃度が正常の場合には,かなりの全体K量の不足があると判断すべきである.このことは代謝性にしろ呼吸性にしろ,アシドーシスからの回復過程でしばしば高度の低K血が出現することからも窺い知ることができる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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