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文献詳細

雑誌文献

medicina11巻2号

1974年02月発行

文献概要

今月の主題 酸・塩基平衡異常—その日常臨床とのつながり 神経系と酸・塩基平衡異常

脳卒中

著者: 松岡茂1

所属機関: 1秋田県立脳血管研究所・脳神経外科

ページ範囲:P.214 - P.216

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はじめに
 急性期脳卒中症例の呼吸は,その症例の病巣の局在および拡がりによっても差はみられるが,主にhyperventilationを示し,呼吸のpatternとしては,重症例ではcentral neurogenic hyperventiiation,post-hyperventilation apnea,Cheyne-Strokes respirationを呈する症例が多い.その原因としては,第1には病巣の局在,第2には,脳卒中の発作により脳組織内ではanoxia,hypoxiaのためmetabolic acidosisが起こり,lactate,pyruvate等の酸性代謝産物が蓄積される.この酸性代謝産物は血液にとり込まれるよりも,脳の周囲をとりかこむ髄液に移行しやすく,その結果,髄液のpH(HCO3-)が低い値を示すようになる.このようにしてpHの低下した髄液は第四脳室周辺にあるcentral medullary chemoreceptorを刺激し,呼吸は促進される.この結果,血液側ではPCO2の低下をきたし,respiratory alkalosisとなると考えられている.筆者らは臨床例で,発症直後の血液および髄液の酸・塩基平衡がどのようであるのか,また経時的変化,病巣の部位および意識障害との関係について検討してみた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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