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文献詳細

雑誌文献

medicina11巻2号

1974年02月発行

今月の主題 酸・塩基平衡異常—その日常臨床とのつながり

老人と小児

老人の酸・塩基平衡異常

著者: 加藤暎一1

所属機関: 1慶大・内科

ページ範囲:P.220 - P.221

文献概要

はじめに
 体内に酸,あるいはアルカリが導入された,あるいは代謝産物として生じた際,体液のpHはまず一過性に体内のbufferで,次いで腎および肺によってこれを排出することによって一定に保つ.有名なHenderson-Hasselbalchの式(ph=6.1+log(BHCO3/H2CO3))で,呼吸性(肺性)調節を受ける分母H2CO3(pCO2)と,腎性調節を受ける分子B+HCO3-の比によってpHは決定されることは衆知の事実である.上述の腎,肺を要めとしたその他homeostasis維持器官の適応能の低下が当然考えられる老人では,pHにいかなる変化をもたらすであろうか,有名なShockらのグループは,各年代層の血液pHと関係する諸量を基準状態で測定している(図1).すなわち加齢とともに,安静時のpHはなお正常範囲内にあるが,低下の傾向を示し,成人の正常値の下限近いpH=7.36になる.したがって,加齢とpHとの関係を理解するには,主に腎と肺の機能がどのような変化を示すかを知ることが必要となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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