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文献詳細

雑誌文献

medicina11巻3号

1974年03月発行

文献概要

今月の主題 貧血の現況 貧血の起こりかたと診かた

老人性貧血

著者: 前川正1 白倉卓夫2

所属機関: 1群馬大・第3内科 2都立養育院付属病院・血液科

ページ範囲:P.306 - P.308

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はじめに
 貧血とは循環Hb量や赤血球数が正常値より減少する状態であるが,循環血漿量の著しい減少のない限り、Hb濃度や単位容積中の赤血球数の減少で判定することができる.したがって老人性貧血を文字通りに解釈すれば,老人の正常値に対しHbか赤血球数が減少することである.ここで問題となるのは正常者とか正常値という言葉を老人に対しどのような意味で使用できるかということであろう.老人では老化に従って様々な変化がみられる.たとえば動脈硬化は高齢になれば必発の変化であり,その強弱が異なるのみである.このほか様々な年齢的変化がおこるが,それらがどの程度までであれば正常の老化過程によるもので,どこからさきが病的であるかをもし決めることが可能であるなら正常老人を定義できよう。しかし,臨床で老人を取り扱う場合,このようなことが現実には困難であることは容易に想像される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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