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文献詳細

雑誌文献

medicina11巻3号

1974年03月発行

文献概要

今月の主題 貧血の現況 特異な経過をとった貧血例

発作性夜間血色素尿症(PNH)

著者: 高橋隆一1

所属機関: 1済生会中央病院・内科

ページ範囲:P.328 - P.329

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 発作性夜間血色素尿症paroxysmal nocturnal haemogiobinuria(PNH)は,血色素尿症を伴う慢性溶血性貧血で,本邦ではまれとされていたが,近年,HartmannおよびJenkins1)により本症の簡便なスクリーニング試験であるsugar water testが発表されて以来,本邦でもときどきみられる疾患となってきた.
 本症は,他の溶血性貧血に比し症状が多彩なため他疾患と誤診されることが少なくなく,最近のDacieおよびLewis2)の統計もこの点をよく示している.とくにLewisおよびDacie3)(表1)によりaplastic anaemia-PNH syndromeが提唱されて以来,再生不良性貧血(再不貧)を疑わせる汎血球減少症の型で発症し,経過中PNHとしての赤血球異常を示したり,PNHとしての臨床症状を示してくる症例のあることが注目され,本症と再不貧との関連が問題となっている4).DacieおよびLewis2)の80例の統計によれば,初診時再不貧と診断された症例が23例も認められ,再不貧との鑑別診断を要する症例が少なくないので,症例を呈示して鑑別診断の要点について述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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