icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina11巻3号

1974年03月発行

ベクトル心電図講座・3

右室肥大

著者: 石川恭三12

所属機関: 1慶大内科 2大和市立病院・循環器内科

ページ範囲:P.381 - P.385

文献概要

 心電図のパターン診断の中でも,右室肥大(Right ventricular hypertrophy:RVH)は最もむずかしい部類に属しています.成人における心電図波形の主な構成成分は,左室より由来しているわけであり,軽度なRVHが存在しても,この優勢な左室成分に覆い隠されてしまい,心電図上に現われないことがあります,また,小児の場合には,成人とは反対に右室が優勢であるため,RVHが存在しても,生理的な右室優勢との鑑別がむずかしくなってきます.このように,成人の場合にしろ,小児いの場合にしろ,心電図上でのみRVHの診断を下すことは,高度のRVHを除き,非常にむずかしいと理解すべきでしょう.そのたあに,いままでに多くのRVHのりCriteriaが報告されていますが,これといった決定版は残念ながらいまだに見られないといってよいと思われます.
 Sokolow & Lionのcriteria1)*は,最も広く知られていますが,これは著しいRVHの症例に当てはめて,はじめて満足されるものであり,とくにRVHの形成初期にある症例では,ほとんど満足されません.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら