文献詳細
文献概要
ある地方医の手紙・21
さまよえる厄病神(2)
著者: 穴澤咊光1
所属機関: 1穴澤病院
ページ範囲:P.418 - P.419
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当院結核病棟でひんぽんとおこった盗難事件は,やがて未解決のままウヤムヤになってしまいました.方方の病院を流れ歩いた「さまよえる結核患者」のBに重大な容疑があることはもちろんですが,長年の療養生活で病院ズレし,六法全書を研究して,「憲法」や「人権」を口実に,自分が排菌のある「重症患者」であることを楯にとって法の追及を免れようとするBを,確証もないのに逮捕留置することは困難であるというのが警察の係官の告白でした.
当院結核病棟でひんぽんとおこった盗難事件は,やがて未解決のままウヤムヤになってしまいました.方方の病院を流れ歩いた「さまよえる結核患者」のBに重大な容疑があることはもちろんですが,長年の療養生活で病院ズレし,六法全書を研究して,「憲法」や「人権」を口実に,自分が排菌のある「重症患者」であることを楯にとって法の追及を免れようとするBを,確証もないのに逮捕留置することは困難であるというのが警察の係官の告白でした.
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