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文献詳細

雑誌文献

medicina11巻4号

1974年04月発行

文献概要

今月の主題 高脂血症の意味するもの 血清脂質とその動き

⑤トリグリセライド

著者: 竹内一郎1

所属機関: 1慶大・内科

ページ範囲:P.442 - P.443

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はじめに
 血中におけるTGがいかなる生物学的意義をもつかは,未だ不明の点も多いが,おそらく一つには,脂肪酸エネルギーを,使用目的に応じて各種組織へ運搬するための能率的な一形態と考えられる.そして,その運搬は主として,カイロマイクロン,VLDLの2つのリポ蛋白の形で行なわれる.前者は主として,摂食時に食事性の脂肪(外因性TG)を,その吸収の場である腸管から,利用,貯蔵の場である末梢組織肝へ運搬する機能を有し,後者は主として,空腹時に肝および腸管で合成された脂肪(内因性TG)を末梢組織へ運搬する機能を有するが,両者は形態的に連続であり,機能的にもoverlapがみられている.TGは体内の大部分の組織で合成されうるが,リポ蛋白を合成しうる臓器は肝および腸管に限られている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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