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文献詳細

雑誌文献

medicina11巻4号

1974年04月発行

文献概要

今月の主題 高脂血症の意味するもの どのような時,高脂血症がみられるか

⑮腎疾患と高脂血症

著者: 清水隆1 佐々英一1

所属機関: 1日大第2内科

ページ範囲:P.470 - P.473

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腎疾患の脂質・リポ蛋白パターン
 腎疾患の場合,一般に腎機能や残余窒素などと血清脂質との間に相関はみず,慢性腎炎では必ずしも脂質レベルは上昇していないが,尿蛋白の著明な,血清蛋白濃度の低下が著しい例に血中脂質の増加しているものが多く,普通,こうした場合はネフローゼ症候群(NS)と呼ばれる。したがって本文では主としてNSについて記述することとする.
 本症の高脂血症は脂質分画の面より高TC,高TG,高PL,正〜低FFA血症がみられ,リポ蛋白の立場から高VLDL,高LDL,低HDLがあり,Fredricksonらの型別によるとType II,IV,(V)がみられる.Gitlinらは小児ネフローゼでSf10-200の上昇をみ,Sf3-9,α-リポ蛋白は正常ないし低下と報告し,GofmanらもSf0-1212-20,20-100,100-400のリポ蛋白の著明な上昇とHDL2の著明な減少を認めている.BaxterらはNSの重症度を血中蛋白濃度より分類し,軽症ではLDLのみが上昇し,中等症でVLDLとLDLが増加し,重症例ではVLDLが非常に増加するがLDLは不変か増加してもごくわずかであり,VLDLが増加している場合,HDLは減少しているという.また重症なほどPL/TC比の低下も著明であり,VLDL中のTC含量が相対的に増加している成績を示している.われわれの成績を表1に示す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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