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文献詳細

雑誌文献

medicina11巻4号

1974年04月発行

文献概要

今月の主題 高脂血症の意味するもの どのような時,高脂血症がみられるか

㉒妊娠と高脂血症

著者: 大森安恵1 藤本郁野2

所属機関: 1東女医大・内科 2東女医大・産婦人科

ページ範囲:P.488 - P.490

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はじめに
 妊娠時に高脂血症のみられることは,すでに1800年代から知られていた.すなわち40年前にかかれたBoyd1)の論文によると,Virchow(1847)は,妊娠後期患者の血清がミルク様で,これが脂肪に由来したものであることを証明している.--今日,血清がミルク様に白濁しているものは,中性脂肪が高濃度であることが明らかにされている.
 1911年Chauffard,Larocheらは,妊娠中血中コレステロールの増加が起きることを見出した,当時脂質の測定には大量の血液を要し,データにもかなりの差異がみられたが,Bloorらの微量測定法が確立されてから,脂質に関する研究はさらに進歩し,当時すでに,妊娠中の総脂質,総コレステロール,中性脂肪,燐脂質は,妊娠の進行とともに増加していることが認められていた1).Lawrence(1916)は,ニワトリが繁殖期になると,血清脂質の増加をきたすことを見出し,性ホルモンと脂質の関係を最初に報告した2).近年多数の報告者によって妊娠時の高脂血症は確認されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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