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文献概要
今月の主題 臨床心電図のキーポイント
臨床心電図判読上の問題点
著者: 日野原重明1
所属機関: 1聖路加国際病院・内科
ページ範囲:P.572 - P.573
文献購入ページに移動 Einthoven(1903)により出発した標準肢誘導法からWilson(1944),ついでGoldbergerにょる単極肢・胸部誘導法への進歩は,ベクトル心電図の解析法に伴われて,臨床心電図学を急速に発展させた.
心電図学への入門が,戦前または戦後間もなくの古典心電図学時代であった臨床家と,過去10年位の近代心電図学の時代であった臨床家との間には,心電図判読法にかなりの差があるように思われる.つまり,古い心電図学で基礎づけられた臨床家は,変化する心電図学に即応して心電図判読法を改めることを怠ったために,はなはだしい誤読がなされる場合が少なくない.戦後は日本においても心電図の基礎的並びに臨床的研究がかなり広くなされるようになったが,近年の目だった心電計の実地医家への普及の割には,これが必ずしも正しく利用されていない感じを筆者はもつのである.
心電図学への入門が,戦前または戦後間もなくの古典心電図学時代であった臨床家と,過去10年位の近代心電図学の時代であった臨床家との間には,心電図判読法にかなりの差があるように思われる.つまり,古い心電図学で基礎づけられた臨床家は,変化する心電図学に即応して心電図判読法を改めることを怠ったために,はなはだしい誤読がなされる場合が少なくない.戦後は日本においても心電図の基礎的並びに臨床的研究がかなり広くなされるようになったが,近年の目だった心電計の実地医家への普及の割には,これが必ずしも正しく利用されていない感じを筆者はもつのである.
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