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文献詳細

雑誌文献

medicina11巻5号

1974年05月発行

文献概要

今月の主題 臨床心電図のキーポイント 見逃がしやすい心電図所見

Coronary sinus rhythm

著者: 水野康1

所属機関: 1名古屋保健衛生大内科

ページ範囲:P.584 - P.588

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 心臓の調律は正常では洞結節で歩調取りが行なわれているが,洞結節の機能が抑制されたり,消失したときには,下位の自動中枢が働き出す.心房または房室結節が通常潜在性pace makerとしてこの役目を果たすが,心電図の波形からpace makerの部位を判定することは必ずしも容易ではない、従来は第2の歩調取りとして房室結節があげられ,QRS群が正常洞調律時とほぼ同じで,陰性P(逆行性P)がQRS群の直前(PQ時間は0.12秒以下)にあれば房室結節上部(upper),QRS群と重なれば中部(middle),QRS群の後にあらわれるときは下部(lower)の自動能により調律が起こっているとされ,房室結節調律(A-V nodal rhythm)と呼ばれていた.しかし,その後微小電極法の発達などで実験的にpacemakerの部位が詳細に検討されるようになり,房室結節そのものは自動能はほとんどなく,心房の下部か,His束以下の特殊筋系が歩調取りとなる可能性の方が大きいとされてきた.したがって,QRS群の前に陰性Pないし変形したPのみられる調律は房室結節よりも心房から発生した刺激による調律であるとみなされ,II,III,aVFで陰性Pがみられるものはすべて心房性調律(atrial rhythm)と総称する方が適当であると考えられるようになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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