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ベクトル心電図講座・6
右脚ブロック
著者: 石川恭三1
所属機関: 1杏林大内科
ページ範囲:P.793 - P.799
文献購入ページに移動 右脚ブロック(right bundle branch block:RBBB)は,日常かなりの頻度で遭遇する心室内刺激伝導障害です.このRBBBはご承知の通り全く心疾患のない健康な学童や成人に,しばしば見られることから"先天的なもので全く心配のいらないもの"として,いわば"正常心電図波形の一亜型"として受けとられることすらあります.
HisおよびLambらは,122,043人の正常人についての心電図波形を検討した結果,231人(1,000人について1.8人の割合)のRBBB保有者を見出しております1).ここで興味深いことは,16歳〜19歳までのRBBB保有者は,0.5人/1,000人で加齢とともにその頻度は高くなり,40〜44歳の年齢層では,2.9人/1,000人という高率を示しております.この加齢とともにRBBBの保有者が増加するということは,その発症メカニズムに,心筋の退行性変化,冠動脈疾患を想定せざるを得ないと思います.とくに,長期にわたる心電図のfollow up中に,洞調律からRBBBに移行したような場合,若年者の場合には炎症性の機転,また40歳以上の成人の場合には冠動脈疾患がその原因ではないかと疑ってみる必要があります.
HisおよびLambらは,122,043人の正常人についての心電図波形を検討した結果,231人(1,000人について1.8人の割合)のRBBB保有者を見出しております1).ここで興味深いことは,16歳〜19歳までのRBBB保有者は,0.5人/1,000人で加齢とともにその頻度は高くなり,40〜44歳の年齢層では,2.9人/1,000人という高率を示しております.この加齢とともにRBBBの保有者が増加するということは,その発症メカニズムに,心筋の退行性変化,冠動脈疾患を想定せざるを得ないと思います.とくに,長期にわたる心電図のfollow up中に,洞調律からRBBBに移行したような場合,若年者の場合には炎症性の機転,また40歳以上の成人の場合には冠動脈疾患がその原因ではないかと疑ってみる必要があります.
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