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文献詳細

雑誌文献

medicina11巻7号

1974年07月発行

今月の主題 肝硬変—今日の視点

肝硬変の問題点

慢性肝炎はいつ肝硬変に移行するか

著者: 小田正幸1 古田精市2

所属機関: 1信州大・第2内科 2信州大・内科

ページ範囲:P.854 - P.855

文献概要

 肝硬変の成因には種々のものがあげられているが,本邦における肝硬変症についてはウイルス性肝炎から進展したと考えられる症例の頻度が高いとされている.従来cryptogenic cirrhosisといわれている,全く無症候性に経過し,初診時すでに完成された肝硬変と診断される症例についてはその原因が全く不明とされていたが,オーストラリア抗原(以下HB-Ag)の発見以来,これらcryptogenic cirrhosis例に高頻度に血中HB-Agないしはその抗体が検出され,このような症例の大多数がその出発点にウイルス性肝炎が関与しているものと考えられるようになった.
 一方,急性ウイルス性肝炎ないしは慢性肝炎例について腹腔鏡あるいは肝生検によって形態学的に肝硬変に進展していることを確かめられた症例も多数報告されている.しかし数多くの症例を十数年以上にわたって経過を観察することはきわめて困難な問題であり,筆者れも与えられたテーマに答えられる充分なデータの蓄積を未だ持ち合わせていないが,以下諸家の報告を併せて筆者らの経験例からこの問題について考察を行なってみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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