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文献詳細

雑誌文献

medicina11巻7号

1974年07月発行

文献概要

今月の主題 肝硬変—今日の視点 グラフ

諸検査からみた肝硬変像

著者: 鈴木宏1 志方俊夫2 島田宜浩3 市田文弘4 河田肇5 山本貞博6

所属機関: 1東大・第1内科 2東大・第2病理 3岡山大・第1内科 4新潟大・第3内科 5大阪労災病院・内科 6愛知医大・第1外科

ページ範囲:P.877 - P.881

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 肝硬変は種々の原因による肝障害の終末像ともいえるものであるが,わが国でみられる肝硬変の90%以上がウイルス肝炎によるものである.脂肪性(あるいはアルコール性)肝硬変は欧米に多くみられ,わが国でもアルコール消費の増加とともに,近年,多少増加の傾向にあるが,まだ少ない.そのほかに,胆汁うっ滞に基づく胆汁性肝硬変,Wilson病,ヘモクロマトーシス,日本住血吸虫病などによる肝硬変があるが,ここでは主としてウイルス肝炎性のものについて述べたい.
 肝硬変の診断はまず臨床所見および肝機能検査成績に基づいてなされる.非代償性のものでは臨床所見のみでも確定診断が可能である.しかし,代償性でかつ非活動性のものでは硬度の増強した肝腫以外に臨床所見および肝機能検査になんら異常を認めない場合がある.また,これらの所見からは慢性肝炎,アルコール性肝障害などとの鑑別が困難なこともしばしば認められる.これらの鑑別診断には腹腔鏡検査および肝生検が役立つ.肝炎性肝硬変ではヘパトーマの合併が約50%にみられている.このヘパトーマの合併の有無の検査には,α-フェトプロテイン(AFP)の測定のほかに,肝シンチグラムおよび選択的腹腔動脈造影が役立つ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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