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文献詳細

雑誌文献

medicina11巻8号

1974年08月発行

診療相談室

検尿のテステープ中のpHについて

著者: 杉野信博1

所属機関: 1東女医大・内科

ページ範囲:P.1081 - P.1081

文献概要

質問 検尿のテステープの中,pHを入れているものがありますが,pHは何のためにつけているのか,またその必要性についてご教示ください.(東京 S生)
答 テステープの蛋白による変色反応はpH指示薬が,同一pH溶液であっても蛋白を含む溶液と含まない溶液とでは,色調が異なるという,pH指示薬の蛋白誤差現象を応用したものであり,テステープの試験部は指示薬としてテトラブロームフェノールブルーとpHを3.0に保つため緩衝剤としてクエン酸が塗布してある.これによって蛋白濃度を測定しているもので極端なアルカリ尿(尿pH 8.0以上)では,試験紙上のpHを3.0に保てなくなり指示薬が青変し,蛋白が存在しなくとも,あたかも存在するかのごとく陽性反応と同じ色調を呈する.正常人の尿pHは4.8〜8.2まで変化するので,尿pHを同時に測定するてとにより強アルカリによる蛋白陽性反応を除外しなければならない.テステープによる尿pHとpHメーターによる尿pHの測定値を比較すると表1のごとくであり,テステープによる尿pH測定のときは,蛋白,塩類,温度,膠質などによる影響が入る.また,尿中の大部分のHは適定酸度,NH4の型で存在し,摂取食物の影響もあり臨床的意義は少ないが,表2に示すごとく,持続的に酸性またはアルカリ性を呈するとき,治療のために尿pHをコントロールするときに臨床的意義がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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