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アルコールによる臓器障害・8
アルコールと薬物代謝
著者: 石井裕正1 重田洋介1 土屋雅春1
所属機関: 1慶大内科
ページ範囲:P.1186 - P.1189
文献購入ページに移動エチル・アルコール(以下アルコール)は1g7カロリーをもつエネルギー源であるとともに,中枢神経系には本来,抑制的に作用する薬物としての性格もあり,さらに近年,アルコールが,肝における薬物代謝の場であるミクロゾームでも代謝されることが明らかにされて以来,アルコールが他の薬物と多くの兵通点をもつことが知られるようになってきた.また臨床的には,大酒家には麻酔剤や睡眠剤が効きにくいことや,一方,アルコール飲料とともに睡眠剤や精神安定剤を飲むと,予期した以上にそれらの薬物の作用が強くあらわれることが知られている.本稿では,アルコール投与により他の薬物およびアルコールの代謝がいかに影響を受けるかを,肝を中心としたアルコール・薬物の相互作用の立場から解説してみたい.
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