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文献概要
今月の主題 意識障害への新しいアプローチ 知っておきたい脳症
門脈側副路性脳症
著者: 茂在敏司1 秋岡寿1
所属機関: 1大阪医大第1内科
ページ範囲:P.17 - P.19
文献購入ページに移動肝性脳症
肝および門脈系の周辺の障害と関連して考えられる神経系の障害は次の3つに区別して考えられる.1つは劇症肝炎の如く,著しい肝細胞崩壊に由来するもろもろの代謝障害—内因性中毒性物質,必須物質欠乏など—によると考えられるもの,1つは発達した門脈側副路からの腸管由来の毒性物質侵襲が主因と考えられ,慢性反覆性意識障害を特徴とする門脈側副路性脳症,1つは脂肪肝と脳の類瘢痕性病変と膠細胞変性が指摘される類瘢痕型肝脳疾患である.はじめの2つは肝ないし門脈系周辺の疾患により,二次的,体液性に神経系が障害されると考えられるのに対し,最後の場合には,Wilson病の如く,未知の代謝欠陥(Wilson病ではCerculo Plasmin合成不全)があり,それが一方では脂肪肝(Wiison病では硬変)へ,他方では脳の基質的病変へとつらなる可能性が考えられる.
1)劇症肝炎,肝硬変急性増悪など 肝細胞壊死→ 神経障害
肝および門脈系の周辺の障害と関連して考えられる神経系の障害は次の3つに区別して考えられる.1つは劇症肝炎の如く,著しい肝細胞崩壊に由来するもろもろの代謝障害—内因性中毒性物質,必須物質欠乏など—によると考えられるもの,1つは発達した門脈側副路からの腸管由来の毒性物質侵襲が主因と考えられ,慢性反覆性意識障害を特徴とする門脈側副路性脳症,1つは脂肪肝と脳の類瘢痕性病変と膠細胞変性が指摘される類瘢痕型肝脳疾患である.はじめの2つは肝ないし門脈系周辺の疾患により,二次的,体液性に神経系が障害されると考えられるのに対し,最後の場合には,Wilson病の如く,未知の代謝欠陥(Wilson病ではCerculo Plasmin合成不全)があり,それが一方では脂肪肝(Wiison病では硬変)へ,他方では脳の基質的病変へとつらなる可能性が考えられる.
1)劇症肝炎,肝硬変急性増悪など 肝細胞壊死→ 神経障害
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