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文献概要
診断基準とその使い方
気管支喘息
著者: 小林節雄1
所属機関: 1群馬大第1内科
ページ範囲:P.92 - P.95
文献購入ページに移動 病気の診断には病名を規定するための診断と,原因を探ろうとする病因診断とか重篤度を決めるための診断基準とかいろいろの見地からの基準が考えられ,気管支喘息についても種々の提案がなされている.そもそも気管支喘息というのは臨床的概念で一種の症候名のような面があるので,その診断基準も全く臨床症候から規定されている.
一般に用いられているのはCiba suest symposiumの規定,すなわち「広汎な気道の狭窄があり,その程度が短期間に,自然にまたは治療によって変わり,しかも心血管系病変によらないもの」で,「臨床的に呼吸困難が発作性または持続的にあり,喘鳴を伴い,大部分の例では気管支拡張剤や皮質ステロイド剤を含む抗喘息薬でよくなるものである.」という基準があげられ,またAmerican Thoracic Societyの定義もよく用いられる.すなわち「小気管支や気管支枝の狭窄で,気道の種々の程度の閉塞を伴うもので,この気道閉塞は可逆性である」と一応規定し,その中である者は,「アトピー型の喘息,すなわちアトピーの素質のある人がアレルゲンで起こった場合のみを気管支喘息と呼ぶ」ことにし,他の原因によるものは除外しようと考えている.しかし,他の人達は,原因がなんであれ,可逆性の気道閉塞を気管支喘息とすることを提案している.この両者の意見を取り入れてAmerican Thoracic Societyでは,「気管,気管支の種々の刺激に対する過敏性があり,気道の広汎な狭窄を示し,その狭窄の程度が自然に,あるいは治療の結果として,時とともに変わる状態で,かつ他の気管や肺疾患によるものや心血管系疾患によるものを除く」というように規定している.
一般に用いられているのはCiba suest symposiumの規定,すなわち「広汎な気道の狭窄があり,その程度が短期間に,自然にまたは治療によって変わり,しかも心血管系病変によらないもの」で,「臨床的に呼吸困難が発作性または持続的にあり,喘鳴を伴い,大部分の例では気管支拡張剤や皮質ステロイド剤を含む抗喘息薬でよくなるものである.」という基準があげられ,またAmerican Thoracic Societyの定義もよく用いられる.すなわち「小気管支や気管支枝の狭窄で,気道の種々の程度の閉塞を伴うもので,この気道閉塞は可逆性である」と一応規定し,その中である者は,「アトピー型の喘息,すなわちアトピーの素質のある人がアレルゲンで起こった場合のみを気管支喘息と呼ぶ」ことにし,他の原因によるものは除外しようと考えている.しかし,他の人達は,原因がなんであれ,可逆性の気道閉塞を気管支喘息とすることを提案している.この両者の意見を取り入れてAmerican Thoracic Societyでは,「気管,気管支の種々の刺激に対する過敏性があり,気道の広汎な狭窄を示し,その狭窄の程度が自然に,あるいは治療の結果として,時とともに変わる状態で,かつ他の気管や肺疾患によるものや心血管系疾患によるものを除く」というように規定している.
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