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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻1号

1975年01月発行

文献概要

臨床病理医はこう読む

血清蛋白分画像(1)

著者: 河合忠1

所属機関: 1自治医大臨床病理

ページ範囲:P.102 - P.103

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血清総蛋白量の低下
 総蛋白濃度が4.0g/dlと著減して低蛋白血症が明らかである.低蛋白血症は,一般総合病院における全患者の約15%程度の割合で遭遇する所見であるが,4.0g/dl以下という高度な低蛋白血症を伴うことは比較的少なく,ネフローゼ症候群,蛋白漏出性胃腸症,広汎な滲出性皮膚疾患(熱傷,尋常性天疱瘡など)などで認められる.以上の3つの病態は血清蛋白分画像からまず鑑別可能である.すなわち,ネフローゼではいわゆるネフローゼ型(選択性蛋白漏出型,selective protein-losing pattern),蛋白漏出性胃腸症では非選択性蛋白漏出型non-selective protein-losing pattern,滲出性皮膚疾患では急性相反応型acute phase response patternを示す.
 本症例では著明な蛋白尿を伴っており,上記の主な病態のうちネフローゼ症候群にしぼられてくる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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