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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻10号

1975年09月発行

文献概要

今月の主題 アレルギーのトピックス 検査法

アレルギー診断法の実際―パッチテスト(patch test)

著者: 古谷達孝1

所属機関: 1獨協医大皮膚科

ページ範囲:P.1486 - P.1487

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patch test(パッチテスト)の目的,意義
 20年前に出版された皮膚科教科書をみると急性湿疹亜急性湿疹,慢性湿疹,また部位名を付して顔面湿疹手湿疹,外陰湿疹などの病名が頻発しており,その病因論として極めて漠然とした湿疹性体質論(eczema diathesis)が説かれているが,最近出版された成書では接触性皮膚炎,細菌性湿疹,アトピー性皮膚炎,脂漏性皮膚炎,貨幣状湿疹,白家感作性皮膚炎,乾皮症性湿疹などとclear cutに整理,統合されている.そして,かつては病名的に使用された急性湿疹,亜急性湿疹,慢性湿疹などは病変部の症状を物語る形容詞的に使用されるに至っている.上記の変遷は湿疹性病変の発症病理の解明によるが,発症病理解日月に大きな役割を果たしたもののひとつにpatch testがある.例をあげれば,婦人の顔面に反復出没する掻痒性の紅斑落屑性病変があり,このものは従来"女子顔面再発性皮膚炎"と呼ばれ,原因不明とされてきたが,patch testの結果.単なる化粧品による接触性皮膚炎と判明するに至った,などが好例といえる.
 このようなわけで,patch testは湿疹性病変,厳密にいえば遅延型アレルギー(アレルギー反応の反応型でいえば第4型)性疾患,とくに接触アレルギー性疾患の原因究明のための重要な手技のひとつであり,これにより初めて原因物が判明し,これとの接触をさけることにより,以後発症をみなくなる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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