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今月の主題 アレルギーのトピックス アレルギー性疾患の問題点
薬物アレルギー
著者: 村中正治1
所属機関: 1東大・物療内科
ページ範囲:P.1502 - P.1504
文献購入ページに移動 蛋白質を含まず,比較的簡単な化学構造式をもった物質は,それ自身では容易に抗原性をもちえない.しかし,適当な方法で高分子化合物(担体)と共有結合をすると抗原性を示すに至る.かかる物質をハプテンと呼ぶが,多くの薬剤はハプテンの性格をもっている.近年,動物実験的には,ハプテン・担体を用いて,免疫現象の機序は急速に解明されつつある.ヒトにおいても,Tリンパ球はハプテン(薬剤)に対する細胞性免疫の成立にあずかる一方で,担体を異物と認識して,その情報を体液性抗体の産生細胞であるBリンパ球に伝え,抗体の産生を調節すると考えられる.
それでは,ヒトの薬剤アレルギーでは担体として働く物質はどこにあって,薬剤はどういう形でその物質と結合して完全抗原になるのであろうか.薬剤アレルギーにおける問題点の根底には,常に動物実験を通じて明らかになったハプテン・担体系免疫現象の理論と,その応用の隣路になっている—担体が明らかでない薬剤アレルギーがある点は見逃せない.
それでは,ヒトの薬剤アレルギーでは担体として働く物質はどこにあって,薬剤はどういう形でその物質と結合して完全抗原になるのであろうか.薬剤アレルギーにおける問題点の根底には,常に動物実験を通じて明らかになったハプテン・担体系免疫現象の理論と,その応用の隣路になっている—担体が明らかでない薬剤アレルギーがある点は見逃せない.
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