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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻11号

1975年10月発行

文献概要

今月の主題 感染症としてのB型肝炎 HB抗原・抗体の臨床

家族性肝硬変症

著者: 大林明1

所属機関: 1大阪医大第1内科

ページ範囲:P.1652 - P.1654

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 一つの家系に肝硬変の多発をみた場合,その肝硬変症を家族性familialとよぶので,広義には遺伝性の先天性代謝異常,たとえばWilson病,idiopathic hernochromatosis,galactosemia,α1-antitripsin deficiencyなどによる肝硬変症もこの範疇に入るであろう.
 しかし,今日,わが国で最も関心がもたれ,またその発生頻度も高い家族性肝硬変症はHBウイルスに由来するものである.これはHBウイルスが家族内感染,主として母児感染によって先祖から子孫へと伝播されている家系においてみられるものであり,1945年に筆者が記載した2家系が最初の報告である1,2).以来,このような家系が陸続と発見され,今日,わが国では決して稀な存在でないことが判明している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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