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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻11号

1975年10月発行

文献概要

今月の主題 感染症としてのB型肝炎 B型肝炎ウイルスの感染とその対策

母児間感染

著者: 岡田清1

所属機関: 1都立大久保病院・産婦人科

ページ範囲:P.1662 - P.1663

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 HBs抗原を保有する妊婦から生まれた児ではHBs抗原が高率に陽性になり,さらにそのほとんどがcarrier状態になることが明らかにされている.このことは①母が妊娠中あるいは分娩後早期に急性B型肝炎に罹患した場合1)でも,②母が無症状のHBs抗原carrierの場合2)でも同様である.これら2つの状況のうち,日本を含むアジアやアフリカでとくに問題になるのは②であり,他方,欧米では①が問題となる.このような違いは妊娠年齢を構成する人口におけるHBs抗原carrierおよびHBs抗体保有者の率が,アジア・アフリカ地域と欧米とでは著しく異なることに起因している.このようなことから,本稿では,わが国でとくに重要視されているHBs抗原carrierの母からその児への感染について,当院での成績を中心として述べることにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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