文献詳細
今月の主題 感染症としてのB型肝炎
B型肝炎ウイルスの感染とその対策
文献概要
HBウイルスは,急性肝炎のように,一過性に体内で増殖し,排除されてしまうものばかりでなく,asymptomatic carrier,慢性肝炎,肝硬変症,ヘパトーマなどのように持続感染することが特徴である.とくに本邦では,欧米に比してHBs抗原陽性率が高く,家族を中心として感染することが明らかとなるにつれて,結核に次いで第2の国民病といわれるほどである.本稿では主にHBs抗原集積家系,B型急性肝炎,慢性肝炎の家族間感染自験例を呈示し,本邦のHBウイルス感染の特異性と感染予防の可能性について記述する.
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