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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻11号

1975年10月発行

文献概要

緊急時の薬剤投与

胆嚢炎の急性期

著者: 堀口正晴1 吉沢国彦1

所属機関: 1慈恵医大第3分院内科

ページ範囲:P.1712 - P.1713

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はじめに
 胆道内の胆汁は細菌に対して好個の培地であり,胆石による胆汁の流通障害や胆道ジスキネジーなどによって胆汁のうっ滞が起こると,細菌は繁殖しやすくなり炎症が生ずる.炎症の成因については,そのほか膵液逆流・トコール酸などの異常胆汁酸あるいは胆汁うっ滞・アレルギーの関与など種々の説が唱えられている.しかし,いずれにしろ細菌感染が重要な役割を果たしていることは明らかである.それ故に,胆嚢炎の急性期の薬剤投与に際しては化学療法剤の選択がもっとも重要であろう.
 胆嚢炎の急性期には,最初から外科的療法を行うほうがよいとの主張もあるが,まず内科的に治療し,急性期が過ぎ全身状態の回復を待って手術を考慮するというのが一般的である.しかし,急性胆嚢炎が悪化し,急性壊疽性胆嚢炎・胆嚢蓄膿・穿孔・胆汁性腹膜炎および化膿性胆管炎・肝膿瘍・横隔膜下膿瘍などになると手術の絶対的適応であり,見逃せば致命的となるので,常にこれらを念頭において対処することが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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