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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻13号

1975年12月発行

文献概要

今月の主題 SLE—成因から治療まで SLEの診断

診断基準

著者: 恒松徳五郎1 深瀬政市2

所属機関: 1京大・第2内科 2島根医大

ページ範囲:P.1915 - P.1920

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 全身性エリテマトーデス(以下SLEと略す)は若い女性に好発し,皮膚,粘膜,関節,腎臓,神経,漿膜など多臓器障害症状を呈する.病理学的には結合組織に主要病変の場が存在し(膠原病,Klemper),免疫学的には代表的自己免疫疾患である.すなわち,患者の血中ならびに細胞性免疫応答に著しい異常が存在し,これが病因または病像の成立に深い関連を持つと考えられている.臨床経過上,寛解と再燃をくり返し,慢性経過をとるのも特徴である.急性期の症状として発熱,関節痛,発疹(蝶形紅斑・その他)とともに1つあるいはいくつかの臓器症状があらわれる.諸症状の揃った例では診断は容易である.しかし,一時点において,1つの臓器症状のみが強く前景に出てくる場合がすくなくなく,それぞれに相当する診断名として関節リウマチ,急性腎炎,ネフローゼ,漿膜炎,溶血性貧血,血小板減少性紫斑病などと誤って付される.急性症状は終日,数週間持続し,寛解し,種々の間隔をおいて再発をくり返す.その際は前回の増悪時と同じ臓器症状を示すもの,まったく異なった臓器症状を示すものとがある.一時点でなく,経過を観察してはじめてSLEが臓器単位の疾患でなく,系統的疾患であることが明らかとなる症例も多い.患者が医師を訪ねる際は,病気のいろいろの時期のものがあるので,克明に詳細な病歴を聴取することが本症の診断に必要である.
 

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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