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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻13号

1975年12月発行

文献概要

今月の主題 SLE—成因から治療まで SLEの臓器症状

著者: 御木達也1 堀内篤1

所属機関: 1近畿大第3内科

ページ範囲:P.1948 - P.1949

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SLEの肺病変は特異的か
 膠原病は血管結合織の病変が主体であるため肺や胸膜に変化が起こりやすい(ここでは胸膜病変も含めて述べる).たとえば,結節性動脈周囲炎(PN)は気管支血管炎を基礎とする血栓,硬塞,膿瘍が起こり,臨床上は胸痛,血痰,喀血あるいはX線像上外方へ向かう扇状陰影などが認められる.進行性全身硬化症(PSS)では全身の線維症の一臓器病変として肺線維症が出現し,びまん性あるいは部分的な線維化および結節状陰影,胸膜下嚢胞あるいは石灰化などが認められる.慢性関節リウマチ(RA)はびまん性間質性肺線維化像,結節状陰影などがみられ,組織学的には肺実質の線維化とリンパ球,形質細胞の浸潤が認められる.
 これらの3疾患が示す臨床的,病理学的肺所見は非特異的であり,それはSLEの肺病変としても通用するものが多い.すなわち,間質性肺炎(肺臓炎)とそれに続いて起こる間質性肺線維症は膠原病に共通の肺病変であって,膠原病性肺臓炎ともよばれている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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