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文献概要
術後障害とその管理
虫垂炎手術後の障害
著者: 柴田一郎 牧野永城1
所属機関: 1聖路加国際病院外科
ページ範囲:P.2004 - P.2011
文献購入ページに移動柴田 虫垂炎後に私たちが一番よく経験するのは癒着です.中には非常に強い痛みのため,Ileusを疑って,すぐ外科に送ることもありますが,多くの場合,激痛ではないけれども回盲部が痛い,それで触れてみると空気枕様の感じで,腸障害などを創痕に近いところに触れるようなケースが非常に多いんですが,そういう場合,メンタ湿布をするとか,緩下剤とか,整腸剤の投与でおさまっていく.その程度のものも軽い癒着のせいでしょうか.
牧野 虫垂炎と限らず開腹術のあと,術後後遺症で一番内科医の人たちにご迷惑をかけるのが腸管癒着症だと思います.この癒着は,昔から外科医の頭痛の種なんです.しかし,この癒着がないと傷も治ってくれませんから困るんですね(笑).
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