文献詳細
文献概要
今月の主題 血液ガスの基礎と臨床 呼吸と血液ガス
組織呼吸—組織の酸素レベル
著者: 小山富康1
所属機関: 1北大・応電研生理
ページ範囲:P.152 - P.155
文献購入ページに移動はじめに
組織内に十分な酸素の存在することが,組織の呼吸を維持するために必須である.酸素は毛細血管へ流れ込んでくる血液によって運ばれてくる.血液は酸素を与えながら炭酸ガスを受けとり,静脈血化して組織を流れ去っていく.しかし,毛細血管と毛細血管との間にはあるていどの間隔があり,そこに酸素を必要とする組織が存在する.したがって血液をはなれた酸素は酸素分圧の低い方へと拡散現象によって移動しんがら,ミトコンドリアに接触すると,組織呼吸へと組み込まれていく.余った酸素がさらに遠方へと移動していき,したがって酸素分圧はつぎつぎに低下していく.毛細血管から最も離れた部位の静脈寄りに,最も分圧の低い死角点が成立する.かくて血液ガスとの関連で組織呼吸を論ずるときには,組織内の酸素分圧および組織静脈血の酸素分圧を論ずることになるのである.
組織内に十分な酸素の存在することが,組織の呼吸を維持するために必須である.酸素は毛細血管へ流れ込んでくる血液によって運ばれてくる.血液は酸素を与えながら炭酸ガスを受けとり,静脈血化して組織を流れ去っていく.しかし,毛細血管と毛細血管との間にはあるていどの間隔があり,そこに酸素を必要とする組織が存在する.したがって血液をはなれた酸素は酸素分圧の低い方へと拡散現象によって移動しんがら,ミトコンドリアに接触すると,組織呼吸へと組み込まれていく.余った酸素がさらに遠方へと移動していき,したがって酸素分圧はつぎつぎに低下していく.毛細血管から最も離れた部位の静脈寄りに,最も分圧の低い死角点が成立する.かくて血液ガスとの関連で組織呼吸を論ずるときには,組織内の酸素分圧および組織静脈血の酸素分圧を論ずることになるのである.
掲載誌情報