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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻2号

1975年02月発行

診断基準とその使い方

多発性硬化症

著者: 柴崎浩1

所属機関: 1九大・脳研神経内科

ページ範囲:P.220 - P.222

文献概要

 多発性硬化症(multiple sclerosis,以下MS)は,主に若年成人を急激に侵し,脳や脊髄,視神経などに2ヵ所以上の限局性病巣が次々と起こるために,多彩な神経症状が緩解と再発をくりかえすものである(図).神経症状がいったん完全に消失すること(完全緩解)がしばしばみられることが特徴的である.神経線維の髄鞘が一次的に破壊されるために脱髄性疾患と称され,とくにそのあと瘢痕過程としてグリオーシスが起こるために硬くなる.これが多発性硬化症の名の由来である.
 MSは欧米では若年成人を侵す神経疾患の中で最も多いもののひとつであるが,わが国ではこの20年間に冲中,黒岩らによってその存在が明らかにされてきたものの,まだ一般医家には十分には認識されていない.とくに本症では特異的なテストがなく,その診断は全く上に述べたような臨床像のパターンに基づいてなされる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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