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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻3号

1975年03月発行

文献概要

今月の主題 心身症からみた症候群 心身症からみた症候群

高血圧

著者: 五島雄一郎1

所属機関: 1慶大内科

ページ範囲:P.280 - P.281

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ストレスによる血圧上昇
 外界のストレスによって,生体が種々の心身反応をおこすことは,Cannonによって生理学的な機序がはじめて明らかにされ,さらにSelyeによりgeneral adaptation syndromeとして,さらにその機序が解明された.
 これを,心身症の発症との関係において分析したのはWolff1)であり,高血圧のほか消化性潰瘍,喘息,じんま疹などの発症とストレスの関係を明らかにした.Wolffらは,58人の高血圧者,42人の正常血圧者,150人のアレルギー患者について,1〜3年間の観察によって性格傾向を比較して,高血圧者には闘争的,緊張しやすい,疑いやすい,その他の性格特徴があることを認めたが,ストレスとの関係については58人の高血圧者のうちから21人,42人の正常血圧者のうちから15人をえらんで面接を行い,その個人に個有のストレスとなるような話題をとりあげたところ,正常血圧者および高血圧者のいずれにおいても,血圧の上昇,腎血流量低下,末梢抵抗の上昇が認められ,その程度は高血圧者の場合,正常血圧者よりも著しかったという.このような結果から,生体は外界からのストレスに対してなんらかの反応をしなければならないが,その現れが高血圧者において高血圧という型になるという.つまり,高血圧は生体のストレスに対する全身的な反応の一部であると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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