文献詳細
文献概要
今月の主題 心身症からみた症候群 心身症からみた症候群
夜尿
著者: 岩波文門1
所属機関: 1東医歯大小児科
ページ範囲:P.296 - P.297
文献購入ページに移動小児の排尿機構と夜尿
排尿の機構には自律神経系支配によって不随意に行われる尿路の運動と大脳新皮質の支配で意識的に行われる膀胱括約筋の開口とがある.
そして排尿という一連の機構は筋,自律神経中枢,大脳新皮質,伝達経路および連合経路という解剖学的構造が完成されたときにはじめて機能も成立するものである.この発達の過程は①膀胱の充満を感じること,②昼間だけ排尿を耐える能力ができること,③昼間の制御反射が完成すること,④夜間の制御ができることという順序になるが,膀胱括約筋を随意に弛緩できるようになる時期,つまり年齢には相当大きな個体差がある.しかも以上のような解剖学的および生理的な発達のほかに,排尿の自立には小児の自我意識が発達して排尿という行為を自覚することと,さらに母親に喜びを与えたいという願望,つまり母子間の情緒の交流の調和が満たされた時期でなければならない.
排尿の機構には自律神経系支配によって不随意に行われる尿路の運動と大脳新皮質の支配で意識的に行われる膀胱括約筋の開口とがある.
そして排尿という一連の機構は筋,自律神経中枢,大脳新皮質,伝達経路および連合経路という解剖学的構造が完成されたときにはじめて機能も成立するものである.この発達の過程は①膀胱の充満を感じること,②昼間だけ排尿を耐える能力ができること,③昼間の制御反射が完成すること,④夜間の制御ができることという順序になるが,膀胱括約筋を随意に弛緩できるようになる時期,つまり年齢には相当大きな個体差がある.しかも以上のような解剖学的および生理的な発達のほかに,排尿の自立には小児の自我意識が発達して排尿という行為を自覚することと,さらに母親に喜びを与えたいという願望,つまり母子間の情緒の交流の調和が満たされた時期でなければならない.
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