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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻3号

1975年03月発行

文献概要

今月の主題 心身症からみた症候群 心身症からみた症候群

夜尿

著者: 岩波文門1

所属機関: 1東医歯大小児科

ページ範囲:P.296 - P.297

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小児の排尿機構と夜尿
 排尿の機構には自律神経系支配によって不随意に行われる尿路の運動と大脳新皮質の支配で意識的に行われる膀胱括約筋の開口とがある.
 そして排尿という一連の機構は筋,自律神経中枢,大脳新皮質,伝達経路および連合経路という解剖学的構造が完成されたときにはじめて機能も成立するものである.この発達の過程は①膀胱の充満を感じること,②昼間だけ排尿を耐える能力ができること,③昼間の制御反射が完成すること,④夜間の制御ができることという順序になるが,膀胱括約筋を随意に弛緩できるようになる時期,つまり年齢には相当大きな個体差がある.しかも以上のような解剖学的および生理的な発達のほかに,排尿の自立には小児の自我意識が発達して排尿という行為を自覚することと,さらに母親に喜びを与えたいという願望,つまり母子間の情緒の交流の調和が満たされた時期でなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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